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証拠の謎

 この事件では鑑定書や「証拠」に謎が多いのも特徴である。特にその「出現時期」である。

1 解剖鑑定書

 寺澤浩一氏(北海道大学医学部法医学教室)は2000年3月17日午後3時17分より5時30分の間被害者遺体の解剖を行っているが、鑑定書の作成は6月6日付けである。

 ある捜査官に以下のお話をうかがった。
「少しでも早く知りたいので、執刀場所に行き死因だけでも聞く。そして本鑑定を待つ」
2 現場足跡

 3月17日捜査官は遺体発見現場に存在する「足跡」を発見し採取した。
 ところがそれを「対照依頼」に出したのは6月8日。  結果が出たのは6月15日。
 被告の足跡はなかったが、その捜査報告書の存在を隠していて、弁護人の証拠開示請求によって裁判所に提出された。

3 タイヤ痕

 3月17日捜査官は遺体発見現場に存在する「タイヤ痕」を発見し採取した。
 ところがそれを「対照依頼」に出したのは6月8日。
 結果が出たのは6月16日。
 被告車のタイヤ痕はなかったが、不明のものが3種あったものの捜査をしていないとのこと。
 さらに採取をしたのは現場から200メートル離れたところ。
 現場付近でのタイヤ痕捜査報告書は存在しないと主張。
 しかし、採取不能の報告書はない。

4 被害者車両指掌紋

 3月17日捜査官は被害者車両に存在する37個の「指掌紋」を発見し採取した。
 ところがそれを「対照依頼」に出したのは4月14日。
 結果が出たのは7月31日。
 しかし、「対照依頼」に出したのは29個であり、8個は捜査から消えた。
 さらに対照したのは日通関係者57名だけだった。

5 携帯電話の指掌紋

 3月17日に発見された被害者携帯電話から指掌紋が検出されなかったと報告されたのは6月12日。

6 被害者の左足用短靴の指掌紋

 現場にあった左足用短靴の指掌紋について3月17日に採取した。
 ところが、対照結果は法廷に提出されなかった。
 弁護人の証拠開示請求によっても、検察官は拒否した。

 被告が逮捕されたのは5月23日で、起訴されたのは6月13日である。ほとんどの証拠類が被告の逮捕の後に照合依頼されている。

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